写真:制作を担当した東京国立近代美術館MOMATコレクション「プレイバック「日米抽象美術展」(1955)」再現VR展示の様子(筆者撮影)

フジテレビ系列で放送された「SMAP×SMAP」の立ち上げメンバーとして、デジタル領域に特化したキャリアをスタートした。デジタル黎明期に、アナログ(セットデザイン)とデジタル(CGデザイン)の両面にて数多くの映像表現開発に携わる。手掛けた事例は100以上、制作成果物は3000以上に及ぶ。SIGGRAPH等、海外の学会に参加後、ハリウッドのポストプロダクションにてデジタル技術を習得。様々な番組において習得技術をフィードバックすると共に、クリエイティブの現場におけるティーチングを主導。同時期に、立ち上げ間もないフジテレビ公式ウェブサイトのクリエイティブディレクターに就任。IT黎明期においてデジタル戦略とコンテンツ開発に携わる。
フジテレビを退職後、国立美術館デジタルクリエイティブ担当特定研究員(国立アートリサーチセンター兼務)に就任。現在、国立アートリサーチセンターにて、国立美術館各館における3D・VR・4K8K動画等のデジタルクリエイティブ開発、同センターのデジタル戦略を一手に担う。

主な業績

テレビプログラム「SMAP×SMAP」 
=アートディレクション(セットデザイン・CGデザイン)
=VFX・デジタルエフェクト開発
=モーションキャプチャー開発
受賞:第1回文化庁メディア芸術祭優秀賞

ウェブサイト「フジテレビ公式ホームページ」
=デジタル戦略
=リッチコンテンツ開発(アニメ・動画)
=インタラクティブコンテンツ開発(ゲーム・Web3D)
受賞:Web of the Year 2003‒2005メディア部門賞

国立美術館デジタルクリエイティブ領域
=東京国立近代美術館における3D・VR開発
=国立美術館各館における4K8K動画開発(アーカイブ・作品鑑賞用途)
=国立アートリサーチセンターにおけるデジタル戦略統括
掲載:芸術科学会論文誌(2023年/査読付き論文)
   博物館研究(2025年1月号)

開発年表

1990年‒1992年武蔵野美術大学
・Adobe Photoshop (Version1.0)発売と同時に民間企業にて同ソフトウェアを使用したイラストレーションを手掛ける
・同時期、AmigaOS、MacOSにてCG映像を手掛ける


1992年‒1995年|株式会社フジテレビジョン
・民放初のハイビジョンドラマ・市川崑劇場「その木戸を通って」にて、ハイビジョンにおける映像美術の検証と開発に取り組む
・テレビ映像美術(セットデザイン・タイトルアート等)における画像処理ソフト・CADの利活用研究に取り組む


1996年‒2002年|株式会社フジテレビジョン
・テレビプログラム「SMAP×SMAP」におけるアートディレクションと並行して、セットデザイン(実写映像)と3DCGの融合を目的とした映像表現の研究開発を担当
・同時期、ハリウッドのポストプロダクション(Rhythm & Hues Studios、Digital Domain)にてマッチムーヴ・モーションキャプチャのレクチャーに参加し、「SMAP×SMAP」等にて習得技術の利活用研究に取り組む
[付記]第1回文化庁メディア芸術祭優秀賞(SMAP×SMAP)


1998年‒2002年|株式会社フジテレビジョン
・テレビプログラム「Flyer TV」にてBrainstormを使用したバーチャルスタジオを開発
・テレビプログラム「FNNスーパーニュース」のウェザーニュースにてデイリー運用のバーチャルスタジオを開発
[付記]民放初のデイリー運用バーチャルスタジオを開発(FNNス―パ―ニュース)


2003年‒2005年|株式会社フジテレビジョン
・フジテレビ公式ホームページにてデジタル戦略を担当
・ブロードバンド戦略・スポンサード動画開発・UI/UXの研究開発を担当
[付記]Web of the Year 2003‒2005メディア部門賞


2006年‒2008年|株式会社フジテレビジョン
・CSチャンネル「フジテレビCSHD」(現・フジテレビNEXT)開局統括とハイビジョン番組開発を担当
・同チャンネルにて、ハイビジョン番組におけるデジタル関連技術を開発(テレビプログラム「原寸美術館37V版」のインタラクティブシステムほか多数)


2009年‒2014年|株式会社フジテレビジョン
・地上波ドラマプロデューサーと並行して、担当作品のデジタル戦略・デジタルマーケティング戦略を手掛ける
・SNS黎明期におけるSNSプロモーション施策を開発


2016年‒2018年|スカパーJSAT株式会社(出向)
・スカパーJSAT(出向)にて、デジタル技術主導の生放送ドラマ「銀河鉄道999 Galaxy Live Drama」を企画開発
・ 同ドラマのデジタルマーケティング戦略にて、SNS等におけるスカパーJSATのアクセス記録を更新


2022年‒2025年|独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンター
・国立美術館各館連携事業にて、東京国立近代美術館におけるインタラクティブ3D・VRコンテンツを開発
・国立美術館各館連携事業にて、東京国立近代美術館における所蔵作品鑑賞用4K動画コンテンツを開発
・国立美術館各館連携事業にて、国立西洋美術館における映像によるプロモーション4K動画コンテンツを開発
・国立美術館各館連携事業にて、国立西洋美術館におけるバイノーラル録音による立体音響映像を開発
・国立アートリサーチセンターのデジタル戦略担当として、デジタル施策全般を担当
[付記]東京国立近代美術館初の試みである展示再現3Dウォークスルー(展示名「再現VR」)として芸術科学会論文誌掲載


※年表には代表的な業績のみを記載
(2025年4月17日 改訂)
(2025年5月15日 一部改訂)