
フジテレビ系列で放送された「SMAP×SMAP」の立ち上げメンバーとして、アートディレクターの立場でデジタル領域に特化したキャリアをスタートした。デジタル黎明期に、アナログ(セットデザイン)とデジタル(コンピューターグラフィックス)の両面にて多くの映像表現開発に携わる。手掛けた事例は100以上に及ぶ。SIGGRAPH等、海外の学会に参加後、ハリウッドのポストプロダクションにてデジタル技術を習得。数多くの番組・イベントにおいてそれらの研究成果をフィードバックすると共に、クリエイティブ現場におけるティーチングを主導。同時期に、立ち上げ間もないフジテレビ公式ウェブサイトにクリエイティブディレクターとして参加。IT黎明期におけるデジタル戦略とコンテンツ開発に携わる。
勤続30年をもって、2022年に株式会社フジテレビジョンを退職し、同年に独立行政法人国立美術館にデジタルクリエイティブ担当特定研究員として着任。現在、同法人国立アートリサーチセンターにて、VR・3DCG・4K8K動画におけるデジタルクリエイティブ開発、同センターのデジタル戦略を一手に担う。
主な業績
テレビプログラム「SMAP×SMAP」
=アートディレクション(セットデザイン・CGデザイン)
=VFX・デジタルエフェクト開発
=モーションキャプチャ技術開発
受賞:第1回文化庁メディア芸術祭優秀賞
ウェブサイト「フジテレビ公式ホームページ」
=デジタル戦略
=リッチコンテンツ開発(アニメ・動画)
=インタラクティブコンテンツ開発(ゲーム・Web3D)
受賞:Web of the Year 2003‒2005メディア部門賞
国立美術館デジタル領域
=東京国立近代美術館におけるVR開発
=国立美術館傘下各館における4K8Kアーカイブ動画開発
=国立アートリサーチセンターにおけるデジタル戦略
開発年表
1990年‒1992年|武蔵野美術大学
民間企業にてAdobe Photoshop Version1.0.7発売と同時に同ソフトウェアを使用したイラストレーションを手掛ける
同時期、AmigaOS・MacOSを使用したCG映像を手掛ける
1992年‒1995年|株式会社フジテレビジョン
アートディレクション(セットデザイン)における画像処理ソフト・CADの利活用研究に取り組む
1996年‒2002年|株式会社フジテレビジョン
テレビプログラム「SMAP×SMAP」において、アートディレクターの立場でセットデザインとCGデザインの融合を目的とした映像美術の研究開発を担当
同時期、ハリウッドのポストプロダクション(Rhythm & Hues Studios、 Digital Domain)にてマッチムーヴ、モーションキャプチャーの技術を習得、「SMAP×SMAP」等にて習得技術の利活用研究に取り組む
[付記]第1回文化庁メディア芸術祭優秀賞(SMAP×SMAP)
1998年‒2002年|株式会社フジテレビジョン
テレビプログラム「Flyer TV」にてバーチャルスタジオを開発
テレビプログラム「FNNスーパーニュース」ウェザーニュースにて民放初のデイリー運用バーチャルスタジオを開発
[付記]「FNNスーパーニュース」ウェザーニュースが民放キー局初のデイリー運用バーチャルスタジオ事例となる
2003年‒2005年|株式会社フジテレビジョン
フジテレビ公式ホームページにおいてデジタル戦略・ブロードバンド戦略・スポンサード動画・UIUXの開発を担当
[付記]Web of the Year 2003‒2005メディア部門賞
2006年‒2008年|株式会社フジテレビジョン
CSハイビジョン放送チャンネル「フジテレビCSHD」(現・フジテレビNEXT)開局統括担当
ハイビジョンコンテンツにおけるデジタル技術を開発(テレビプログラム「原寸美術館37V版」のインタラクティブシステムほか多数)
2009年‒2014年|株式会社フジテレビジョン
地上波ドラマプロデューサーの立場で、プロデュースと並行してデジタル戦略・デジタルマーケティング施策を研究し、SNS黎明期におけるプロモーション施策を開発
2016年‒2018年|スカパーJSAT株式会社(出向)
スカパーJSATにおいてデジタル技術主導の生放送ドラマ「銀河鉄道999」を企画開発
同ドラマにおけるデジタルマーケティングにて記録的なバズを実現(広告費換算2億円)
2022年‒2024年|独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンター
東京国立近代美術館にて同旧館の展覧会「「抽象と幻想」展」と「日米抽象美術展」をデジタル技術で再現するスクリーン投影型インタラクティブコンテンツを開発
同館VR体験イベントにおいて本件コンテンツが採用される
[付記]VR製作を担当した展示が日本展示学会「展示学65」(2023)において2022年の代表的展示の一つとして選定
2023年‒2025年|独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンター
国立アートリサーチセンターにてデジタル戦略を担当
同センターウェブサイト施策全般を統括
※年表には代表的な業績のみを記載